山椒の葉の佃煮

 

春一番に芽吹く柔らかな山椒の葉を摘んで作る佃煮は、春の香りが存分に味わえる逸品です。

 

作ることよりも葉を摘むことの方が大変で、山椒の鋭い棘で傷だらけになりながらせっせと摘みます。ザル一杯に採っても、佃煮にするとごくわずかになってしまって毎度驚きます。

 

お箸でほんの一つまみご飯にのせれば、それだけで一膳いけますし、おにぎりの具にしても、雑炊にのせても、青魚の煮物に添えても。


材料

山椒の若芽:20㎝のザル1杯ほど

1回目

 醤油:50㏄

 酒 :50㏄

2回目

 醤油:50㏄

 酒 :50㏄

 

準備するもの

鍋 保存ビン


① 山椒の若芽を摘んだら洗って水気を切っておく。

② 鍋に1回目の醤油と酒*1を入れて煮たて、山椒を入れて混ぜながら汁気が少なくなるまで煮る。

 

③ そのまま保存容器に移して一晩おく。

 

山椒を寄せると鍋底に煮汁が残る状態
山椒を寄せると鍋底に煮汁が残る状態

④ 翌日、2回目*1の醤油と酒を②と同様に煮たてて、汁気が少なくなるまで煮る。

 

⑤ 保存ビンに入れる。


アドバイス

 

*1 醤油と酒は同量であれば、量は多くても構いません。砂糖やみりんを入れるとどういうわけか美味しくできないので入れません。

 

*2 1回煮ただけでは山椒の葉は柔らかくなりません。1日置いて2度焚きすると、すっかり柔らかくなります。1回目も2回目も煮詰めてはいきますが、煮詰め過ぎず、少し汁気が残るようにして下さい。保存してからも山椒が汁気を吸います。

 

● うっかり片隅に紛れて2年前のものが出てきましたが、味に変わりはありませんでした。冷蔵庫で1年以上十分持ちます。

 

● 季節とともに木の芽は花山椒、実山椒と移っていきます。同じやり方で佃煮を作ることができます。花山椒の佃煮は、若芽の佃煮以上に希少品です。実山椒は、佃煮よりもそのまま醬油漬けにしておいた方が、使いみちが広がります。

実山椒の醤油漬けは→「香り醤油三種」