7月25日(月)
函南原生林 ー夏ー
湿度たっぷり、緑濃く滴るような夏の原生林です。
植物もすっかり夏の役者たちに変わっていました。
帰路、近くにあるというイモリが池を探して行ってみました。
断層の谷間に水がたまった池で、人知れず静かな佇まいでした。
●●● 植物 ●●●
7月11日(月)
天城の森 ー夏ー
いたる所、散り敷くヒメシャラの落花。
高い梢の先に上向きに咲くヒメシャラは、
桜のように咲いている姿を愛でることはできませんが、こんな花見も贅沢なものです。
ブナの林のふかふかの林床には、これまた真っ白なギンリョウソウが盛りの季節でした。
水生地歩道を通って、野鳥の森から青スズ台。
八丁池に出て下り八丁池歩道、本谷歩道を下りるのが私の一番好きなコースです。
今日は仲間と3人、これまで何度も来たのにみつけることができなかった「白砂湧水」をやっとみつけました。
折り重なる岩の間から水が湧き出しています。狩野川最上部の水源です。
爽やかな森ですが、暑かったなあ・・。
やっぱり夏ですね。
●●● 植物 ●●●
7月8日(金) 細野高原
北側には天城連山、周りに浅間山、三筋山、大峰山に囲まれている細野高原。
山がストンと海に落ち込むような地形が多い伊豆半島で、ここには珍しくなだらかな高原が広がっています。
駐車場には私たちの車1台だけ。 つまり、東京ドーム20個分という広大な高原が本日貸切りということです。 なんとゼイタク。
草原の中には、いくつかの湿原もあります。
三筋山の山頂は、晴れていれば天城山、稲取の町、相模灘、伊豆七島まで見渡せ、絶景が楽しめます。
今日は靄がかかってご覧のとおりですが、これもまた良し。
●●● 植物 ●●●
7月5日(火)
太古の海の火山の記憶
ー南伊豆ー
1000万年前から200万年前、
浅い海では海底火山が盛んに活動していました。
その火山が、地殻変動や浸食に伴って地上に姿を現したところ、
南伊豆。
子浦から日和山、妻良、入間、中木、石廊崎まで。
どこを歩いても、どこを見ても素晴らしい。
海蝕洞、岩脈、水底土石流、水冷破砕溶岩、火山の根、柱状節理地層に不案内でも、日本語はよくその特徴を表していて、これもまた素晴らしい。
太古の海の伊豆でどんな事が起きていたのか想像しながら、歩きました。
日和山遊歩道 : 対岸の波打ち際には波の浸食による海蝕洞がたくさん見えます。
日和山から下って、海岸に下りていくと、10mほどの高さのトンネルの天井が抜けたような、両側から岩壁が覆い被さるようにせり出したところに出ます。
今にも落ちてきそうな土石流の層や細かな火山灰や軽石の積もった層、波の浸食を受け美しい波紋のできた層に圧倒されます。
三十三観音 : 土石流の岩壁が弧を描いてせり出しています。
その足元に並ぶ三十三観音。
今にも落ちてきそうで長居は無用・・・と言いつつ、怖いながらもその場を離れがたし。
蛇下り : 海底の火山灰や土石流の層を割りながら上昇してきたマグマが、縦の岩脈となって残っています。
まさに蛇が下るようです。
入間海岸近くの断層:火山灰と軽石の堆積層が地殻変動によって左右にずれています。
中木 : 柱状節理
中木 : 海底火山のマグマの通り道を「火山の根」と言います。
マグマを供給する根っこのようなところで、周りの柔らかなところは浸食を受けてなくなり、硬い部分だけが残ります。
冷えて固まる時に鉛筆のような6角の柱状になります。
石廊崎 : 伊豆の最南端。
岬の突端は水冷破砕溶岩で出来ています。
岩の間にめり込むように建てられた石室神社があります。
おまけ
妻良湾には巨大なウニがウジャウジャいました。
ムラサキウニと思っていたらどうやらガンガゼらしい。
●●● 植物 ●●●
ヤマドリ : 意外にも林間に様々なキノコあり。同行の2人はキノコをよく知っていて、ヤマドリと教わりました。
確かにヤマドリ(鳥)色をしています。
6月20日(月)
カワゴ平
ごく最近、と言っても3200年ほど前に巨大で爆発的な噴火をしたといわれるカワゴ平火山。
遠くは琵琶湖あたりまで火山灰が降り、厚いところでは50mにも達するといわれる溶岩台地の上は、名残りの黒曜石や軽石がゴロゴロ転がってはいますが、何事もなかったような静けさです。
帰路、風穴に作られたという貯蔵庫を訪ねました。
新聞記事を頼りに、その手前にあるという山神様の祠はすぐに分かりました。
しかし、貯蔵庫跡はなかなか見つかりません。
4人で手分けしてあたりを探し回り、ようやく窪地に
朽ちかけた建物を発見。
下りて近づくと空気は一変します。
風穴を利用した自然の貯蔵庫。
破れかけた扉から吹いてくる風はまさしく冷風です。
かつてはワサビの種や蚕紙を保存したと言われています。
カワゴ平の厚い溶岩台地の内部は隙間が多く、水を豊富に貯めています。
今なお地中深くから届く冷気の地上の出口です。
カワゴ平まで往復20㎞。 秋にも行ってみたいのですが、日の短い季節には少しつらい行程です。
●●● 植物 ●●●
6月12日(日)
青スズ台から八丁池へ
貴重な梅雨の晴れ間。
昨夜、「行く?」「行こ」で話がまとまりまして。
アマギツツジが見頃かと思いましたが、今年は少し遅いようです。
蕾は硬くて、6月の下旬から7月にかけてになりそうです。
ヒメシャラもまだ。 それでも、何度歩いても天城の森は飽きることがありません。
青スズ台はすっかり靄の中。
「お肌に良さそう」などと呑気な事を言いつつ
昼食。
八丁池までの尾根も八丁池も靄って幻想的な姿を見せてくれます。
今日はカッコウの鳴き声が盛んでした。
夏が来ますね。
ほんとに久しぶりの鳴き声に時計かと思ったほど。
●●● 植物 ●●●
コナスビ:小さな黄色い花が点々と咲いています。
花を見ると「?」ですが、小さなナスのような実を付けます。
ヒコサンヒメシャラ: アマギにあるのは大部分がヒメシャラ。
その中で先に咲き始めた「ヒコサンヒメシャラ」。
福岡の英彦山で発見されたのでその名が付いたとのこと。
花の大きさは、ナツツバキ>ヒコサンヒメシャラ>ヒメシャラ。
花びらの一部が赤味があること、木肌はヒメシャラと違う独特なタイルの模様が出ることで見分けます。
ヒメシャラ巨木: 上り御幸歩道にあるヒメシャラはこの辺りで一番の大きさだと思われます。人と比べるとよくわかります。↓
鎌田城址:伊東市の水源地、奥野ダムの所から上ります。沢沿いの登山道にはサワガニがいっぱい。
大きな一枚岩を滑るように流れる滝もあります。
鎌田城址には空堀、堀切、土塁、中心部と思われるあたりに「龍爪神社」が残されています。
6月10日(金) 知ればおもしろい ! 伊東
伊東のガイド仲間の案内で。
鉢ケ窪火山: 伊豆にはいくつか「鉢」の付く山があります。
「鉢ケ窪」「鉢窪」「鉢の山」。
すべてスコリア丘と言われる山体を作る火山です。
代表は「大室山」。
擂り鉢状の窪みができます。
火口には雨が降って水が溜り、ぬかるみはイノシシのヌタ場になっていますが、規模は小さいながらしっかりと擂り鉢状の火口が残っていました。
景色もなかなか。
伊東大川の柱状節理: 頼朝の初恋の相手・八重姫との間にできた子供を沈めたと伝わる「稚児が淵」のあたりには、大室山の溶岩が流れ着いた最北端の証拠の柱状節理があるというので、探しに行きました。
発見。発見! 川床と対岸の崖に見えています。
6月6日(月) 西南伊豆海岸
雲見から出発。
梅雨入りしたものの、お天気はまずまず。
雲見浜からうっすら富士山も見えます。
今日は仲間2人と一緒です。
雲見の烏帽子山は急峻なトンガリ山で、一気に160mを登ります。
ヒーハー登っただけのことは大ありの絶景です。
烏帽子山を下りて、もう一つのハイライト、千貫門へ。
「一目見れば千貫の価値あり」ということらしい。
見飽きることがありません。
ここから波勝崎まで先にバスで行ってから再び雲見まで歩き返すつもりでしたが、道が荒れていてよくわからないことと、サルが危険という2人の意見もあり断念。
この辺りまで来ると、車も人もほとんどいません。 サルの方が多いようです。
一匹だけ遭遇。
ともかく距離を保って、目を合わせないように無事通り過ぎました。
サルの方が威張ってるなあ…
高通山へ。
思いの外きつい上りながら、ここも景色は素晴らしい。
北側の道を下山しましたが、こちら側には巨岩がゴロゴロしています。
一日よく歩きました。
帰路、土肥の「弁天の湯」に立ち寄り、生き返りました。
●●● 植物 ●●●
6月2日(木) 東浦路から石丁場へ
ジオガイド同期生の仲間3人で、宇佐美の海岸から東浦路を通り石丁場へ。
古くは源頼朝、さらに吉田松陰も通った道。
多くの市井の人たちも盛んに行き来をしたのでしょう。
道沿いには馬頭観音や石の道標、村に悪病や災いが入りこまないようにと峠や村境に建てられた「法界萬霊塔」が残っています。
矢穴石もあちこちに転がっています。
この近くのナコウ山石丁場のものでしょうか。
今では多くが埋もれ、廃れ、新しい舗装道になってしまった東浦路の中でも、古道の面影を残すとても趣のある路でした。
網代峠に出ると一気に視界が開けます。
相模灘、初島、真鶴半島、三浦半島、房総半島を眼下に見ながら、朝日山の石丁場へ。
刻印石や矢穴石を探し、少し下った長谷観音まで行ってみました。
腹ごしらえをしてから、もう一つ中張窪の石丁場にも行ってみました。
どちらも一度行っていますが、刻印を探しながら3人で歩けば、いろんな刻印発見。
いい年のオジサンとオバサンが刻印を探しては大喜び。 つくづくジオガイド仲間は面白い。