2016年4月9日(土)
函南原生林
標高840m付近から550mにかけて広がり、幾度かの危機を乗り越えて300年以上にわたって保護されてきた自然林です。
保護のため原生林は立入禁止になっていますので、許可を得て歩きました。
涼しいところを好む樹木と温暖な山地を好む樹木がともに生育している、少し不思議な感じがする森です。
樹齢700年以上と言われる大ブナやアカガシ、ヒメシャラの大木が見られます。
原生林内の歩道を歩くと、いく度か沢を渡ります。
落ち葉やブナの殻が散り敷いた分厚い林床は多くの水を貯めていて、下流の函南町を潤す水源涵養林であることがよくわかります。
木々の多様さ見事さもさることながら、草花も多様です。
図鑑でしか見たことのなかった植物をいくつもここでクリア。
名前のわからない植物もたくさんあり、毎月定期的に訪れたいと思います。
コチャルメルソウ : 小さな小さな、なんとも言えず見事な造形。 チャルメラに似ていることから付いた名と言われています。
もう少しカメラマンの腕が良かったら・・・・
と残念至極。
バイケイソウ、ハシリドコロ、エンレイソウ: 新芽の時はいかにも柔らかそうでおいしそうに見えますが、有毒植物。 特に三大毒草の一つ、ハシリドコロは沢筋に群生していました。
帰路、火雷神社に立ち寄りました。
1930年に丹那断層で発生した北伊豆地震で、神社の石段と鳥居の間に生じた約1mの横ずれがそのまま残されています。
●●● 植物 ●●●
2016年3月27日(日)
走湯山・修験道ジオウォーク
2日続きのハードスケジュール。
ガイド3人含めて合計15人のツアーとなりました。
姫の沢から石仏の道を経て、日金山東光寺へ。 折り返して岩戸山、伊豆山神社本宮から白山神社、伊豆山神社本社までの10㎞のコースで、ハイキング気分だと、なかなか厳しい道です。
予報に反し、天気は最高で石仏の道からの眺めは最高でした。
写真どころではなくて、ほとんど撮れませんでした。 悪しからず。
詳しくは、→ 熱海ネット新聞 「3月28日(文化) 「日金山・東光寺を巡り、熱海のジオ見学」をご覧下さい。
参加者の中には石仏に詳しい方、修験道に詳しい方が臨時講師になって説明をして下 さったりで、とても面白いツアーになりました。
私にとっては初めてのジオガイドとしてのツアーでしたので、とにかく全員無事に下山できたことが何よりでした。
2016年3月26日(土)
伊豆半島ジオパーク・ロゲイニング大会
ジオガイドであるからには、参加しよう!
と、仲間4人で初めて参加しました。
チーム名は「センチ4」
フィリピン海プレートに乗って来た伊豆半島の卵が、年間4cmくらい北西に移動する動きとメンバー4人をかけてみました。
(伊豆半島の移動の距離などについては現在諸説あり。詳しくは→静岡大学小山研究室H.P.)
そもそもロゲイニングとは何ぞや?
という4人なので、参加者の年齢、走るぞ!態勢に出発前より圧倒されながらも、最高年齢参加者の栄誉だけはゲットして出発。
走らない(走れない)、極力バス利用という戦略です。
各地に設定されたポイントを6時間以内にどれだけ獲得できるかを競うアウトドア・スポーツ&ゲームです。
地の利はあるものの、もくろみ通りには全くいかず、
高得点ポイントを狙っても行き着けず。
それでも何とか制限時間内に帰り着きました。
獲得点数229点。
優勝チームは何と925点。 信じがたい。
クタクタでしたが、とても楽しい一日でした。
私は証拠写真撮影担当のため、3人の写真です。
2016年3月18日(金)
走湯山シリーズ (下見編2)
今回は石仏の道から上りました。
久しぶりの春らしい絶好のお天気でした。
いつもは無人の東光寺ですが、ちょうど昨日が春のお彼岸の入りで、初めてご本尊の地蔵菩薩様を拝観しました。
今回は閻魔様も写してきました。
閻魔様と奪衣婆は夫婦とも言われています。
閻魔様も味わい深くて、地獄も悪くはないかもしれません。
下山途中の道端で、全体でも2cm程の、小さな小さなフデリンドウの花を発見。
踏まれませんように。
桂川の川床には、1500万年前から1000万年前の海底火山の活動によって作られた「湯ヶ島層群」と言われる地層が露出しています。
修善寺から天城方面に向かうところに「天城湯ヶ島」という古い温泉場があり、ここを代表として名がついた地層です。
伊豆半島の真中の山の中に海底火山の名残があるとは、不思議でもあり、驚きでもあります。
2016年3月5日(土)
修善寺
修善寺に用があったので、少し早起きして街中を歩きました。
なんと20年ぶりです。
古い温泉街には珍しいロシア正教のハリストス正教会から桂川沿いに指月殿まで行ってみました。
修善寺 ↑ →
早朝。清々しく掃き清められていました。
「湯ヶ島層群のある所温泉あり」と言われるとおり、湯ヶ島層群のある川沿いの地域には温泉が湧くことが多いのです。
←独鈷の湯
空海が独鈷で川床を突いたら湯が湧き出したと伝えられています。
指月殿から竹林の小径を抜けて、修善寺へ。
早朝、1時間ほどの気持ちの良い散策でした。
2016年03月1日
走湯山シリーズ1 (下見編)
3月の末に熱海にて「伊豆山神社と修験道」がテーマのジオツアーの企画をしようというので、先輩のガイドさんと下見に行ってきました。
今日の下見は、姫の沢公園から野鳥の森を通り、東光寺、岩戸山、伊豆山神社本宮、白山神社、
伊豆山神社本社までのおよそ10km。
80万年前から30万年前に噴火を繰り返したとみられる湯河原火山の噴出物が あちこちに見られます。
熱海の北側、湯河原との間のラインは、十国峠から東光寺、岩戸山、七尾を経て伊豆山神社、その先の海岸に湧き出す走り湯までを含めた一帯が広い意味で「走湯山(そうとうさん)」と呼ばれていました。
現在では「走湯山」は「伊豆山神社」のことを指していますが、がつての伊豆山神社の発祥の地は日金山(十国峠)にありました。
修験道の霊場としての歴史もありますが、石仏群を見てもわかるように山岳信仰の祈りの道でもありました。
この道は何度も歩いていますが、何度行っても新発見あり。
面白いですね。
東光寺に向かう石仏の道の1丁目は湯河原からと来宮神社からの2つあり、東光寺の42丁目まで続いています。
入り口には閻魔様 (写真無し) と奪衣婆 (写真有り) 。
味があります。
三途の川の渡し賃である六文銭を持たずにやって来た亡者の衣服を剥ぎ取って、その衣の重さで生前の業を量り、死後の処遇を決めるそうな。
閻魔様より好みです。