日本列島は、4つの大きなプレートがせめぎ合うちょうど上にあります。災害列島たる所以でもあります。

 

4つのうち、唯一フィリピン海プレート上にあるのが伊豆半島です。 およそ2000万年前の太平洋上の小さな火山島が、フィリピン海プレートに乗って北上し、本州に衝突して出来上がった伊豆半島。

 

なんだかまるで「ひょっこりひょうたん島」のようで、想像を搔き立ててくれます。 そして今なお、北へと本州を押し上げつつあります。

 

そんな伊豆に暮すようになってから、ずいぶんと月日が経ちました。 成り立ちの面白さ、独特の地層や伊豆半島固有の植物たち。 

 

歩いて、歩いて、伊豆の自慢をしたいと思います。

歩き始めた詳しいいきさつは→こちらをどうぞ 

 

お願い

植物は類似した種が多く、自然交配した雑種も多く見られますので、同定が困難な場合があります。種名の誤り、未同定の植物の名前がお分かりの方は是非ご連絡下さい。ご質問やご感想もお寄せ下さい。

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9月11日(木)秋の植物観察

 

明け方、猛烈な雷雨でしたが、予報では日中はまずまず。思い切って花友と出かけてきました。予報以上に良い天気になりました。

東海岸の山並み
東海岸の山並み
ヒガンバナ
ヒガンバナ

久しぶりの雨でしっとりした林間の道は気持ちよく、東光寺の手前ではひとつ、ふたつヒガンバナが咲き始めていました。

 

まれに見る猛暑といえど、花は宇宙の中で我を失わず季節を違えませんね。右往左往しているのは人間だけです。

 

 

アケボノシュスラン
アケボノシュスラン

沢沿いに湯河原道を下って、何年かぶりで見に来ました。

 

数年前には、川べりに一面に広がる花が見事でしたが、その後の台風の土石でかなりダメージを受けたようで、花芽を付けるほどに成熟した株はほとんど見られないのが残念でした。

 

小さな株はたくさん残っていましたので、あと数年後の再生を待ちたいと思います。

岩戸観音
岩戸観音

登り返して岩戸山までやってきました。初めてだという同行者と、せっかくなので岩戸観音まで下りてみました。

 

岩戸山まで来たのはチャボホトトギスを見つけたかったからですが、残念ながら出会うことができませんでした。

林床の花たち。見かけたツルリンドウは全て白花でした。意外に珍しい。

ツルニンジン
ツルニンジン
シロバナツルリンドウ
シロバナツルリンドウ

 

草原まで戻ってきました。ススキの穂が一面に揺れる南斜面が美しい。

秋の花々、今年も変わらない顔ぶれにほっとしています。

石仏の道
石仏の道
タムラソウ
タムラソウ
ネジバナ
ネジバナ
オトコヨモギ
オトコヨモギ
タチフウロ
タチフウロ
サクラガンピ
サクラガンピ
サワヒヨドリ
サワヒヨドリ
ワレモコウ
ワレモコウ
アシタカマツムシソウ
アシタカマツムシソウ
イズコゴメグサ
イズコゴメグサ

花好き2人行、ルーペで観察したり、写真を撮ったり、1㎞程の草原の道を下るのに2時間もかかってしまって、笑いました。

 

楽しい植物観察の一日でした。



9月9日(火)キノコの王様

 

今日撮った写真はこの1枚のみ。型は最高、ズシリと重く、だれもかれも大喜びをしたのは言うまでもありません。

 

このくらいの蕾ですと、ほとんどマツタケの匂いはしませんが、持って歩くと少しずつ開くのか、匂いがしてくるのが普通ですが、今一つ香りに乏しい。

 

キノコ師匠に持ち帰ってもらって、じっくり鑑定をしてもらったところ、どうやらニセマツタケらしい!マツタケと間違えて売られていることもあるようなので、素人にはどうにも鑑定はできません。

 

残念ではありましたが、楽しませてもらいました。

 


 

9月3日(水)キノコシーズン開始

 

富士山五合目須走口、毎年シーズンの幕開けはここで始まります。相変わらず続く猛暑と雨なしであまり期待は持たずに、それでもやはり来たくてうずうずしていました。

 

小富士より
小富士より
小富士より
小富士より
小富士より
小富士より

行ったことがないという同行者のために、小富士に立ち寄りました。山頂に登る小さな人の姿まで見えるほど晴天で素晴らしい景色。

 

天城の山々、駿河灘、丹沢の山並み、南アルプスの山々も見えて爽快です。眼下の雲海は夏の積乱雲、空高くには刷毛ではいたような涼やかな秋の巻雲が広がっています。こんな夏から秋へと移り変わる空を「行き合いの空」というのだと、キノコ師匠が教えてくれました。

 

小富士より
小富士より
タマゴタケ
タマゴタケ

今日一番多かったのはタマゴタケ。テングタケの仲間は猛毒キノコが多く、タマゴタケ以外は手を出しません。

 

バライロウラベニイロガワリ
バライロウラベニイロガワリ

こちらはバライロウラベニイロガワリとのこと。猛毒菌ですが、よく似たアメリカウラベニイロガワリは食用です。

 

私はバライロとアメリカを見分ける自信は全くありません。ただ、アメリカはブナ科の樹林帯に発生し、バライロは標高の高い針葉樹林帯に発生するとされていることを考えると、これはバライロウラベニイロガワリと言っていいと思われます。

 

この点もまた確実かどうかは確証はなく、バライロがブナ帯にあるやもしれません。

 

いずれにせよ危うきに近寄らず、です。それにしても何と鮮やかなバラ色でしょうか。自然の成せる業、恐るべし。

 

キノボリイグチ
キノボリイグチ

予想どおりカラカラの林床で、ようやく出始めたキノコも乾燥したり、せっかく頭を出しても大きくなれないままだったりですが、それでもこの時期の顔ぶれは揃っていました。

 

ハナイグチ、キノボリイグチ、ヤマイグチ、ベニハナイグチ、アケボノアワタケなどのイグチの仲間、ツガタケ、ヌメリササタケ、オニナラタケ、アカハツ、アンズタケ、一番の狙い目だったホウキタケもようやく出始めていました。

 

明日から久しぶりの雨予報、程よく降ってくれれば、来週は楽しみです。