11月27日(水)
伊豆三山
伊豆の国市、狩野川のゆったり流れる田方平野にポコボコと並んだ山三つ。
城山、葛城山、発端丈山。
低山ながら急峻な山々です。
まずは目の前に立ちはだかるように垂直にそびえ立つ城山南壁。
途中、3組ほどの若者たちとすれ違いました。
ここはロッククライミングのゲレンデでもあります。
葛城山: 三山が今日初めての同行者は、最初の城山南壁を前に「これに登るのか・・・・」と言っておりましたが、無事二座目到着。
今日はもうすぐ12月とは思えない暑いくらいの陽気で、春霞がかかったような景色です。
淡島、駿河灘、富士山が一望です。
発端丈山: これで最後の三つ目。
内浦の穏やかな海です。
益山寺: 山奥のひっそりと風情のあるお寺で伊豆八十八カ所巡礼の第八番札所です。
ここには樹齢800年とも900年ともいわれる大カエデがあります。
大イチョウもどれほどの樹齢でしょうか。 圧倒されるほどの大きさです。
毎年紅葉の季節に訪ねています。 色づき始めていましたが、紅葉のピークには少し早かったようです。 残念。
白鳥山: 見事な柱状節理が見られます。 今は採石場となっていますので、いずれはなくなってしまうのでしょう。
無事三山を周遊し城山に戻ってきました。 再び見上げる南壁に、朝すれ違った若者たちはいるのでしょうか・・・目を凝らして見ましたが・・・
11月21日(水) 登り尾
一年半ぶりの登り尾です。
その時に見つけられなかった大ヤマグルマと大ブナを見に行こうかと・・・
山頂の北西方向に伸びる尾根に乗るまで、写真を撮るゆとりゼロ。
826mピークに続く尾根に乗ってやっとこさの一枚。 何のことはない一枚でしょうが、いかにも尾根らしい細尾根は分かりやすくてホッとして好きなのです。
あとは抜かりなく尾根をたどっていくのみです。
Mさんのログを参考に、山頂の手前で傾斜が緩やかになった950m付近から等高線に沿って横に進み、少し下って見つけました。
立派な大ヤマグルマです。
ヤマグルマは天城に多く、奇怪な樹形のものがいくつもあります。 猿山のダイオウイカのような大ヤマグルマ、戸塚峠近くのタコ足大ヤマグルマ、白砂天井にもいくつもあります。
(2018年6月14日 "天城の森には"参照)
次は大ブナ。
位置から見るとおそらくこのブナでしょう。
枝が1本根元から折れていました。
かなりの大きさです。
登り尾の山頂付近にはモミの大木もたくさんあります。
登り尾山頂: 広い山頂は眺望はききませんが、頭上に広がる冬木立の青空の下、10時に早くもお昼です。
新山峠に下る途中、風車群と中空の伊豆大島。 海と空が融けて美しい。
クジラ岩:見る位置を変えてみると・・・
確かにクジラ。
いつものようにいつもの「河鹿の湯」。
どうして今まで気づかなかったのでしょう。 回数券、買いました。
11月15日(木) 晩秋・八丁池
空があまりに青くてきれいだったので、久々に八丁池へ真っ直ぐに伸びる尾根に上ってみました。
とても気持ちの良い尾根ながら、ところどころ藪漕ぎもあるので、マダニの多い夏の間は慎んでおりました。
ところが、やっぱりいますねえ・・・・足元から何匹も登ってきます。
わかりやすいい明るい色の服を着ること、肌を出さないこと、山から下りたらよく払いチェックを怠らないこと。 鉄則ですね。
念を入れて温泉に入ってから帰りますが、わが愛猫は内猫なので家にマダニやノミを持ち込むとしたら人間の私です。 気をつけます。
ところどころ散り残るカエデがあるくらいで、葉を落とした冬木立の森はすっかり明るくなっています。
樹々のレース越しに見える山々の稜線を時々振り返りつつ登って行けば、左手に富士山、右手には伊豆七島や風車群が同行してくれるようになります。
知り合いのアブラチャン: 晩秋の長い影とともに冬に向かう姿です。久しぶりです。
ヤシャビシャク: 定点観察中のヤシャビシャク。 いつもは手が届かないけれど、落ち葉を初めて手に取りました。 スグリ属らしい葉、実はまだついているようです。
カマツカ: 葉をすっかり落としてしまった枝にびっしりと付いた実が、青空に映えて美しい。
11月8日(木) 不老山
出発地点の金時公園からは雪の肌理まで見えるほど近くにでっかい富士山。
ここ小山町は金太郎ゆかりの土地で、産湯を使ったという「ちょろり七滝」に土俵もあり。
今日目指すのは丹沢山系の西端、不老山。
生土林道を不老山へと登って行く途中に神縄断層の露頭があります。
この辺りは、南の海からやって来た伊豆半島を載せたフィリピン海プレートが本州側のユーラシアプレートにぶつかった現場と言われる興味深い土地です。
ちょうどその境目、右と左の地層の違いがくっきり見えています。
←左 本州 伊豆半島 右→
ここの地名はは生土(いきど)と言います。
その由来をあれやこれやと想像すると、「衝突の現場」ということと無関係とは思えませんが、そんな事を知る由もない昔の人がこの名をつけた訳は何だったのでしょうか...。
生土山分岐を過ぎると不老山まで急登が続きます。
所々送電線の鉄塔の立つところが開けていて、富士山がよく見えます。
送電線は少々無粋ですが、曇りマークの予報に反して、どこから見ても富士山が美しい晴天の一日となりました。
11月1日(木) 八丁池紅葉
麓は色づき始めたところながら、登るにつれて樹々の彩りは美しく、八丁池は見頃を迎えていました。
予報ではスカーンと晴れマークだったのに、一日雲の垂れこめる曇天でした。
それよりも何よりも、今日はカメラを車に忘れました!
仕方なくスマホの写真です。
どんなにスマホのカメラが良くなったとはいえ、カメラには敵いません。
カメラもこの目で見て網膜に焼き付いた光景にはさらに敵いません。
美しい秋の一日、豊かな山歩きでした。
三つ目のアルプス
と言っても南アルプスでも北アルプスでも、ましてやスイスアルプスでもありません。
「三浦アルプス」と呼ばれる三浦半島の葉山、逗子、横須賀にかけての丘陵地帯の山々です。
すでに歩いた「沼津アルプス」「伊東アルプス」と共通するのは、低山の連なりながらアップダウンの連続、薮あり岩場あり樹林帯あり、侮ると大変、だてに「アルプス」と付いてはおりません。
標高の高いピークに登って下りるより、案外きついかもしれません。
低山なので尾根もはっきりせず、地形から読み取ることも難しく、確認をせずうっかり歩き出した道がやはり間違いだったことを、たまたま行き会った地元の方に指摘されて引き返した地点もありました。
乳頭山山頂: 本日の最高峰202mです。
山頂は東側が開けており、眼下には横須賀港、浦賀、横浜のビル群も見えます。
頂上から少し下りた西側からはポッカリ富士山。
仙元山分岐展望台: 相模灘、伊豆半島のその向こう、天空に富士山。
「沼津アルプス」はアップダウンも大きく多いですが、駿河湾と富士山の眺望がすばらしい。「伊東アルプス」は、アップダウンのきつさは一番ながら、オオシマザクラの街道は見逃せないので、きつくてもまた行きたくなる。
そして、今回の「三浦アルプス」。まだ、たくさんのルートがあって面白そうです。
道迷い危険度は一番でしょうか。
10月16日(火) 初雪化粧
今年の初冠雪は9月26日でした。 初冠雪の雪はすぐに消えてしまいますが、初雪化粧というのは意味が違うらしく、「誰もがきれいだと思う降雪」だそうな。
ちょうど昨日10月15日に「初雪化粧」の発表がありました。
水ケ塚からの富士山、確かにきれいです。
ポッカリと口を開けた宝永火口もほんの間近です。
色づき始めた広葉樹の森を歩き始めます。
高度が上がってくると黄葉し始めたカラマツ林に変ってきます。
キノコ好きとともに探しながら登って行けば、さほどのこともなく三辻に到着です。
一面靄の中。
今日初めて富士山の森林限界まで来た二人がいて、スカッと晴れ渡った富士山頂や宝永山、点々と散らばる草紅葉や二ツ塚を見せてあげたかったのですが、残念。
下塚から降り始めたわずかの間に、スウッと靄が晴れて二ツ塚の姿が見えました。 これもまた富士山らしい光景です。
また来たい」と言ってくれて、嬉しい山歩きでした。
10 月2日(火)
ぐるり、細野高原
ススキの葉はまだ青く、黄金色に変わるまでにはまだ少し時間がかかりそうです。
人混みを避けてススキ祭りの始まる前にやって来て正解でした。
今日は私たち二人の独占状態です。
伊豆最大の火山であった天城山には今でも伊豆の最高峰・万三郎岳がありますが、その規模と高さは今よりはるかに巨大だったようです。
稲取の標高400m付近から三筋山にかけて広がるここ細野高原も、激しい浸食を受けた天城山の南東斜面の一部であったと言われています。
このなだらかで美しく優しい高原からは想像しがたいことです。
連なる天城の山々や駿河灘、南伊豆の海岸線や沖の伊豆七島を眺めながら、細野高原をぐるりと取り巻く大池、小池、三筋山へ。
大峰山:まずは大峰山へ。
細野高原の中、山頂は見えているのにススキに埋もれてなかなか行き着けません。
ススキの海をかき分け、かき分け、イノシシに出くわさないかとドキドキしつつ山頂へ。
下田方向; 眼下に大池の火口。その向こうに私たちが勝手に「オッパイ山」と呼んでいる片瀬山、城山。
河津の町並みの向こうには亀の甲羅のような天領山。 さらにその先は爪木崎です。
うっすらと利島、新島、式根島も見えています。
三筋山の山頂: 私たちがちょうど通りかかった時に、先日の台風のために止めていたと思われる風車の電源が一斉に入れられたようで、不気味な音を立てつつ回り始めました。
この風車群の巨大さと異様さは言葉にしようがありませんが、360度の眺望は素晴らしいの一言です。
山頂からきらめくススキの花穂の海をまるで滑るように駿河灘に向って降りていきます。